腰椎後方減圧および固定

全身麻酔下に腹臥位(腹這い)となり、腰部の後ろに1椎間ですと約3~5cmの皮膚切開を行います。手術の必要な椎間の数に応じてもう少し長い皮膚切開を要することがあります。顕微鏡をみながら、椎弓の一部削り取って、肥厚した靭帯を取り除きます。1椎間の手術時間は、麻酔時間も含めて3時間程度です、これに1椎間増えるごとに30分程かかります。さらに、一部骨を削り取って、脊椎管を拡大し、神経根の除圧を行います。

 腰椎の骨に不安定性(すべり)がある場合は、これからさらにチタン製の金属のボルトを使って腰椎を固定します。この金属は、支障がないかぎり除去しません。この場合手術時間は1時間程延長となります。

この手術の利点、不利な点

 腰椎後方減圧術は、圧迫箇所を直接除去する直接的、根本的な手術です。多椎間にわたる病変に対応できます。

 下肢の運動障害、感覚障害の改善には大変有効で、即効性があります。

 腰部後方の筋肉を分けて手術をおこないますので、術後に、腰背部痛を生じます。これは、投薬によって和らぎますが、若干の腰部の凝りのようなものが後にまでのこることがあります。
腰椎後方減圧術

手術後治療

 手術翌日には、コルセットをつけて、歩行して頂きます。入浴は手術後4日目から許可されます。検査を行い、手術後約7?8日目に抜糸を行った後に、手術後約10日~2週間で退院が許可されます。手術後入院中は、コルセットを装着して頂きます。

 退院後、コルセットは徐々に除去するようにしてください。事務的作業は良いですが、肉体的作業は、退院後約2週間で一度来院して頂きますが、その際の検査結果等を判断した上で許可いたします。重労働には手術後約3?6ヶ月後の検査結果を判断した上で、可能となります。

手術合併症

  • 1:感染(糖尿病、腎不全、ステロイド使用などによってその危険性は増します。)
  • 2:神経損傷
  • 3:術後出血
  • 4:インストルメント(挿入した金属)の逸脱、移植骨の脱出
  • 5:全身麻酔に伴う合併症(心肺障害、肺炎、肝臓障害など)
  • 6:安静にともなう支障(深部静脈血栓症、肺塞栓症、肺炎など)

当院において、生命に関わる障害が起きたことはありません。手術中に脊髄や神経の損傷を来たし、永久的に障害が残った例はありません。他の合併症のおきた確立が3%以下です。

症状の再発

 腰椎の疾患の多くは、運動、加齢によるこものです。手術した椎間が悪化することはありませんが、他の部位が悪化する可能性があります。術後の腰部の姿勢や、運動に注意が必要です。