脊椎脊髄とは

脊椎・脊髄と症状

脳から手足に運動などの命令を伝えたり、手足からの情報を脳に伝えるためのケーブルつまり<神経>の束が<脊髄>です。そしてこの<脊髄>を保護している硬い骨が<脊椎>です。

脊髄を保護している脊椎は、首(頸椎)が7個、背中(胸椎)12個、腰(腰椎)が5個、お尻(仙骨と尾骨)が6個の計30個の骨からできています。脊椎が30個のばらばらの骨からできているのは、体を曲げたり反ったりするために骨が柔軟に動かなければならないからです。ですから、運動器としての要素も持っているのが脊椎です。そして、この脊椎の骨と骨を繋ぎとめている連結装置が、脊椎の間にはさまれている<椎間板>とよばれる柔らかい骨(軟骨)と、周りの筋肉や背骨の周りにテープのように張っている<靭帯>です。

脊椎・脊髄とは 図1

このように、頸椎は頭を支え、腰は体を支えながらいつも動いています。しかも、この脊椎が積み重なって構成する<脊椎管>の中に重要な神経組織である脊髄が入っているのです。これらの脊椎、椎間板、靭帯が事故によってつぶれたり、破れたり(脊椎損傷)、長年の運動の為に老朽化して変形したり、ぐらぐらになって脊椎の骨にズレが生じたり(変形性脊椎症)することによって、その中に入っている脊髄を圧迫することになります。
腰椎椎間板ヘルニアと圧迫されている脊髄
脊椎・脊髄とは 図3

脊髄障害の静的要素

脊椎、椎間板、靭帯などの変形によって脊髄を圧迫すること。

脊髄障害の動的要素

脊椎の運動によって、脊髄への障害がくわわること。

図のように、脊椎管内への少々のでっぱりが、首を前に曲げると、脊髄の前方で、後ろにまげると脊髄の後方で脊髄への圧迫の度合いが強くなります。長期間にわたってこのようなことが何度もおこっていると、脊髄の障害が増すことは容易に推察できます。

このような脊髄への圧迫が強く急激に生じたり、たとえその圧迫が弱くとも長く続くと、脊髄を構成する神経組織が弱ってその機能が低下したりを失われてしまいます。このことによって様々な神経の症状が出現してきます。また、神経がその機能が低下していなくとも、脊椎、椎間板、靭帯の変性、変形、ズレによって頭痛、頸部痛、背部痛、腰痛が生じます。ですから、これらの痛みは、神経症状が出現する直前の危険信号といえるでしょう。

症状

症状は大きく分けて3つになります。

  1. 1:脊椎のがたがたからくる首、背中や腰の痛み、肩の凝りなどです。これを<軸症>と呼んでいます。
  2. 2:脊椎の間から出る神経が、骨棘やでっぱった椎間板で圧迫されて、手や腕のしびれや腕が挙らないなどの症状を出すことがあります。これを<神経根症>と呼んでいます。
  3. 3:脊椎のなかにある脊髄がでっぱった椎間板や骨棘、分厚くなった靭帯などで圧迫をうけて、手足への命令がうまく伝わらなかったり、手足からの情報が脳へつたわらなくなり、手足が動かなくなったり、しびれたり状態で、これを<脊髄症>と呼んでいます。

例えば、頸椎に病変があると、頭痛、頸部痛、肩痛、腕の痛みが生じます。また、手や足への神経の圧迫によって手や足がしびれたり、感覚が鈍くなったり、力が入りにくくなります。具体的には、箸を使いにくくなったり、階段を降りにくくなったりします。

例えば、腰椎に病変があると、腰通が生じます。足への神経の圧迫によって、足が痛くなったり、力が入りにくくなります。具体的には、足をひきずるようになります。さらに、症状がすすむと、排尿や排便に不自由になります。

診断・検査

レントゲン写真や CTで、骨の変形の度合いを調べます。また、首を動かした状態でも、レントゲン写真をとって、骨のズレの状態を調べます。MRIで、神経や脊髄が圧迫されている状態を調べます。また、脊髄の障害されている度合いを検討します。

治療・手術

治療は、基本的に上記の<静的要素><動的要素>を治療することになります。すなわち<静的要素>の治療は、圧迫を解除することす。<動的要素>の治療は、脊椎を安静にしておくことです。また、治療の性質としては、保存的治療と外科的治療があります。

保存的治療

薬物投与、マッサージ、理学療法、鍼灸、牽引療法

外科的治療

レーザー治療、手術

治療方法の適応は、患者様個人によって異なります。患者様の診断、年齢、仕事、全身の状態、症状の範囲、度合いなどを考慮しながら、患者様各人と相談しながら決定されます。